Act.3-1 酸素が身体に行き渡る原理

私達の肺から取り込まれた酸素の大半は、血中の赤血球に含まれる
ヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。この形の酸素を「結合型酸素」と呼びます。
「結合型酸素」は赤血球(7~8μm)によって運ばれるため、
それより細い毛細血管(約5μm)までは行き渡りにくい性質があります。
また、血中の赤血球の数は限られているため、
「結合型酸素」として運ばれる酸素の量には限界があります。

通常の血液

一方、気体は気圧の高さに比例した量が液体に溶け込む性質があるため
(ヘンリーの法則)、空気の気圧を上げると酸素はヘモグロビンと結合する分とは
別に血液中に直接溶け込みます。この形の酸素を「溶解型酸素」と呼びます。
「溶解型酸素」は赤血球の大きさに制限されないので、細かい毛細血管へも充分に
行き渡ります。また、この時の酸素は血液だけでなくリンパ液や中枢神経液にも
溶け込むので、身体のより広範囲な部位にまで行き渡ることになります。

高圧酸素が溶け込んだ血液

溶解型酸素とは、体液にガス化して溶け込んだ
「サイズの小さな酸素」のことです。
「サイズが小さい」ので、毛細血管のすみずみまで
行き渡ることができるのです。

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